八ッ場ツーリング(二日目)
夜から雨になるのは予報で知っていました。そして、ワタシたちの深層心理のなかでは「まさか雨の中は走らんだろー」というものがもやもやと漂い、暗黙の了解として誰が言い出すともなく、これを阿吽の呼吸というのでしょうか。
思いのほか冷たい雨でした。吾妻渓谷はもっと寒いんだろうなぁ……。と、空模様をうかがいつつ、決定いたしました。
鴇澤さんがケガをしているからだとか、10時に始まる見学会に11時から参加の予定でしたが、せっかくだから最初から参加しよう、だとか。いろいろ理由をつけて、……ツーリングは安全第一だし。
それでも、見学会には自転車で参加しようということで、先に荷物を山木館さんに預かってもらいました。
吾妻渓谷、めちゃ綺麗です。青く乳白色の水はもともと酸性なんだそうで、お魚は住めない環境です。で、その酸性水に鉄筋コンクリートの橋やダムは無理なので、上流で石灰ミルクを投入してるんです。乳白色に感じられるのはそのせいです。
右の写真に写ってる構築物は、ダム本体を作るさいに水を迂回させるための水路(穴)の付属物です。
移転分譲地(川原湯側)から、川原畑地区の移転地を遠望したところ。標高580㍍地点までダム湖に沈むので、鉄道も道路も家も旅館も、すべて高地に移されるわけです。が、まだ造成が遅々として進まず
。八ッ場ダムの最大の問題点とは、計画ができてから50年以上も経つのに、いっこうに完成の目処が立たないことなんです。
地元が賛成してるんだから建設を急げ、というのが国交省をはじめ行政側の論拠ですが、地元民のホンネは「いい加減に何とかしてくれ」「宙ぶらりんはもうたくさん」あるいは条件闘争をやりながら何とか生活再建をはかりたい、といったところでしょうか。つまり、既成事実の積み重ねによって、当初は町ぐるみの反対運動だったものがやむなく受け入れ(強制収用を避けるため)、進まない工事に苛立っているのが実態なんです。
ところで、千葉知事選挙でもそうでしたが、民主党をはじめとする野党が選挙マニフェストに「八ッ場ダム建設の中止」を明記している現実があります。もし仮に政権交代が起きた場合には、このダムの計画が根本から覆ってしまうんです。そこで問題なのは、付け替え道路や鉄道、住宅移転などこれまで進めてきた関連工事をどうするのか、なんですね。
ワタシたちも国土交通省と環境省に「総選挙まで工事を凍結しろ」と申し入れましたが、どうやら国交省も「総選挙後の本体工事着工」の意向のようです。本当に建設中止になった場合は、秋にもういちどツーリングやります。旧吾妻線もしくは旧国道のサイクリングロード化、サイクリングセンターの建設など、具体的な施策をたずさえてのツーリングにしたいものです。どうぞご注目を。
ところで、自転車での見学会参加は激坂の連続でした。雨もいっこうにやまず、最後は広報センターに自転車を置いて、みなさんといっしょにクルマで見学となりました。猛烈に寒かったです。
寒い→激坂を登って暖まる
→汗で冷える
→また激坂を登る
→消耗する
でした。上毛新聞に記事が載りました。
夜、山木館で銀河鉄道を観ました。吾妻線のつづら折れの勾配が、ちょうど列車が空に昇って行くように見えるんです。霧の中なので幻想的でした。むささびは来なかったけど、ぶっぽうそうを観ました。小ぶりのみみずくですが、可愛かったです。
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コメント
横山さんこんばんは
それにしても東奔西走お忙しそうですね。お疲れ様です。
スタンダールの墓碑銘が、生きた書いた愛した、なら、横山さんは、走った食べた書いた、で決まりでは?
投稿: まつ | 2009年5月21日 (木) 20時47分
まつさん コメントども♪
。いま
仕事を仕込み中ですので、もっと忙しくなればいいんですけどね
。
いいですね、走った食べた書いた
投稿: 横山 | 2009年5月21日 (木) 22時10分