北海道上陸! 死について考える
ずーっとほったらかしてました、ツーリング洞爺湖(北海道編)。気がついたら時系列に地道な連載をかさねているYoshitakaさんにも追い越され、そのままなし崩し的に、なかったことになるんじゃないかと思われていたみなさん。ちゃんと起承転結はつけますので、ご安心ください(誰も期待してないって)。
右は八戸からツーリングを開始し、六ヶ所村から合流した鴇澤さんです。どうです、この颯爽とした姿。ワタシたちが花とハーブの里がわからずにテレビクルーの自動車GPSを頼ったとき、彼はベテランツーリストらしく宿泊地を探し当てていたんでした。鴇澤さんは69歳、奇しくもワタシの親父が亡くなった年齢ですじゃ……。
じつは函館に着いて金田誠一事務所に挨拶にうかがった時に、作家の西村健さんを通じてある人物の訃報に接したんでした。ある人物というのは北部九州の任侠界の重鎮、というよりも一世を風靡した風雲児とでんゆーたほうが相応しいかもしれんですたい(北部九州弁)。名前を出すのは憚られますので、詳しく知りたい方は作家宮崎学氏と対談本を出した九州の親分、その本をワタシが企画編集した、というスジで調べてみてつかぁさい。実家が氏の邸宅に近いこともあって、ワタシもゆるも親分には可愛がられてたんです。まぁ、この件はツーリング洞爺湖の記事をブログに書く以上は避けて通れない記憶なんで、なかなか続きが書けなかったのかも。
そんなわけで、北海道編の序章は「死」について考えるということになったわけです。それというのも、忘れもしない一昨年の夏。ワタシとゆるは格安パックツァーで北海道旅行をして、そこで当然にもレンタルサイクリングの快適さを体感。これまで以上に自転車(ママチャリだけど)に乗ろうということになって、帰宅後は自転車選び→鉄のクロスバイクを購入→ツーリングバイク購入、となったんでした。
つまり、このままじゃ早死にするんじゃなかろうか……という身体的な危機感、あきらかな高脂血症、メタボ、etc. したがって、今回の北海道はある意味では自転車による凱旋、自転車生活復帰の契機をあたえてくれた北海道への感謝の旅でもあったわけです。そして、生きている実感を自転車で体感するということは、同時に死と向かい合った記憶とかさなりましたね。
写真は大間原発に反対する函館の市民団体との交流会。青森はベタ寒かったですが、青森は快晴ということもあって、とても暑かったです。やませの吹く東北は寒いが、梅雨のない北海道は暑い。
訃報をうけた7月1日はちょうどワタシが出演したテレビ番組の放送の日でしたが、もとより観る気はなかったし、せめて亡き親分を見送ろうという気分で函館山へ。例によって夜景写真、ちゃんと撮れませんでした。高性能カメラをもったカメラマンが2000円とかの高額で写真を売ってるの、よーく思い知りましたとも。
死そのものは単なる別れともいえますけど、やはり永遠の別れなわけで、おいそれと会えなくなるという意味で深刻なんでしょう。だから「心のなかに生きている」とかになるわけで。ただ、かりに幸福な死と悲しい死があるとすれば、それを分けるものは何なんだろうとワタシは思うんですね。いうまでもなく、人生の価値観(幸福感)なわけですが。
いきなり洞爺湖をすっ飛んじゃいますが、左は支笏湖の霧です。向こうが見えんので、おいっ間違って海に出ちゃったか? とか思ったもんです。斉藤さんのお連れ合い(新婚)がメールで「支笏湖は○○の名所らしい」と。で、斎藤さんと渡瀬さんが見つけてきちゃったのよね、みずからお亡くなりになった方の足跡を……。
ワタシはこの、みずからお亡くなりになられることがもの凄く嫌いなんです。ちょうど去年の夏でしたか、ワタシの家からも至近の大きな公園の森のなかで、お亡くなりになった方がおられました。ちょうど警察が検分に来てたもので、ゆるは興味深そうに立ち去ろうとしません。あれこれ具体的にその様子を実況中継するもんですから、なんとなく強い刷り込みで記憶に残ってしまったんです。爾来、ワタシは昼間でもその森には行けなくなりましたよ。だって暗い森のなかで、みずからお亡くなりになった方と出会うの、愉快なはずがありませんもの。人生って、もっと愉快なものじゃないのか?
もう会えなくなっただけで、心のなかに生きているのさ。さよなら、××さん、だな。闘病生活から解放されたんですよね?
けっこうな激坂をこえて、函館をあとにすると。
大沼小沼の向こうに駒ケ岳。この山、大間発→函館のフェリーからも見えてたぞ。北海道が大きいとかいっても、日本は島なんだなーと実感するよ、まったく。たとえば、あんなに山の奥の頂上と思ってる北アルプスとかでも、日本海から眺められるんだからね。
来たよー 来たっ。これぞ北海道な風景、ツーリングのオートバイ氏に手を振ると、おおらかに応えてくれたもんさ。心の奥に飾ったワタシの喪章がゆれて、その向こうに晴れやかな笑顔を見たような気がしました。
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