東京外環道ポタリング--秘密の隠れ家的スポット探し(一日目)
ついに梅雨明け! って、ずっと晴れてたような曇ってたような、何だかよく分からない長梅雨であったぞ。ここまで引っぱられてしまうと、もはや待ちに待った夏という雰囲気でもない。今年は3月がメチャ暖かだったし、5月の段階で私の腕と脚はもう真っ赤に日焼けをしてましたしね。
とはいえ、夏本番の声に太陽が燦々と降り注ぐのが好きな私がジッとしていられるはずはないのである。ふつうなら海や山なんでしょうけど、ジリジリと照りつける日差しの中を汗にまみれながらのポタリング……(笑い)。しかしながら、ちゃんとした大目的が二つほどあるのであった(毅然と)。
まずその一つは、愛車のオーバーホール(走行距離3000キロ越えでガチャガチャのチェーンと異音がするペダルの交換・山がなくなってたカンチブレーキシューの交換・リアのギアの不調改善・リアハブのグリスアップ)を敢行したので、ロングライドによるその実走確認。いま一つの目的は、ひ・み・つ・の隠れ家的なスポットを探すこと。
何のための秘密の隠れ家なんだ? べつにセカンドハウスというわけではありません。文字通りの意味の隠れ家的スポットであって、まぁ昼間の時間を過ごすカフェ(もしくはスイーツのお店)。
ほうほう、するってぇと、昼間っから秘密のデートなのかい? いいえ、相棒(カミさん)以外に特定の相手がいるわけではありません。ただ、その探したい店は私の妄想によると、森の木漏れ日のなかに瀟洒なたたずまいを見せ、店主は妙齢の未亡人。 彼女はトスカーナ滞在中におぼえた手料理とブランデーの効いたサバランが上手で、自家焙煎のカプチーノも絶品。不幸にして夫に先立たれたものの、子供たちは独立して悠々自適の日々。そんな彼女に悩みがあるとしたら、少しばかり緩んできたウェスト。※右の写真はイメージです。
「イヤだわ、もう……。こんなになっちゃって」が何となく独り言の口癖。そこで私がウェストシェイプアップのために、自転車に乗ることを勧める。自転車普及人の面目躍如!「でも、あたしに乗れるのかしら?」(彼女)「御心配なく、手どり脚どり教えますからね」(私)「じゃ、やってみるわ」(彼女)。
で、数日後のこと。「マダム、このサイクリング用のインナーをどうぞ」と、パールイズミ製のインナーパンツを勧める私。「こ、こんなものを?」(彼女)「あ、下着はつけないでくださいよ。ブラジャーもパットの入ってないスポーツ用ブラを準備してありますから」(私)「そ、そうなの……。でも、何だか恥ずかしいわ。着替えるの、手伝ってくださらないかしら」(彼女)「いいですとも、ニヤリ」(私)。
ゆっくりとシルクの高級ドレスを脱ぎ、その豊満な肢体をあらわにする彼女。やおら全裸になったところ、彼女は足首をトゥクリップのストラップで拘束されるのだった。「なっ、何をするの!?」(彼女)「ふふふふっ、もう覚悟を決めなさい。長年のクルマ生活で弛んだそのウェストを絞るには、半端なケイデンスでは覚束きませんぞ。さあっ、ヒップの谷間が汗で濡れるまで漕ぐんです! さあっ」(鞭を振り上げる私)。「そ、そんなぁ……」(彼女)。
バカですか? 真夏の妄想……!? でも、このシチュエーションは気に入ったぞ。次回作の冒頭に使いましょう。SMハードサスペンス「嵌められた真夏の未亡人--第1章 白昼の自転車調教」(笑い)。官能サスペンスというよりも、チープなお笑い小説が身上なわけだし。
いえね、マジメな話。店主はハゲ親父さんでもお婆さんでもいいんですけど、昼間に読書のできるスペースが欲しいんです。夜にしか執筆できない怠け者の性格のうえ、秋には企画が進行中の謎解き歴史本の原稿を書かなければならないので、膨大な史料の読み込みが課題なのであります。
たぶんこのままでは、昼間は夏の甲子園大会をボーッと観てしまい、夜はさし迫った依頼原稿に集中。となると、史料を読む時間がないっ! したがって、秋に実りのある仕事ができるはずもなし。これまでは、昼間は水元公園の木陰で緑陰読書という小洒落た気分でもよかったけど、熱暑のこれからは公園じゃ無理だ。というわけなのです。
そこで、外環道(高速道路に付随した国道298号)に出撃しました(写真は埼玉県側の水元公園・愛車はこの直後に風で転倒=ああっ! 台風5号の強風によりSTIレバーに擦過傷……orz まぁ、車体のキズは走りの勲章。って、走ってもないのに……)。
ところで、なぜ国道298号なのか? よくは分かりませんが……、30分ていどで到着するような近場の店ではダメで「いよいよ隠れ家に来た!」という覚悟と申しますか「ここで2~3時間は粘って、大いに勉強をするぞ」という感じが必要なんですよ。
見知った喫茶店の数も多く、緑の多い松戸のほうがいいんではあるまいか? いいえ、県境を越えることが肝要なのです。昔でいえば国境(くにざかい)、そう埼玉県は他国なのでありますから、気分もいたって新鮮で。というよりも、平坦な外環道の風情が何となく灼熱の夏を感じさせる。酷暑から逃れるオアシスが欲しい=気分は真夏。←これが正確なところかもしれない。
外環道(国道298号)は写真のような感じです。 アプローチの側道(違法駐車が多いですね)、花も見れて田畑を見渡せる歩道 、本線への進入路。
この国道298号の本線を自転車で走る肝だめし、あなたもやってみませんか? 私はパスです、怖いです。何度かこころみたものの、大型トラックやダンプカーの風圧を受けてはヨロヨロ、高速道路の防風ドームと防音壁にとどろく轟音に肝を冷やす……。
写真のとおり、路側帯は広いところで1メートル弱はあるんで必ずしも無理ではない。側道が途切れるところで本線に出て(歩道への段差突入を嫌い)、交差点を突破! ←この場合も信号待ちでないと出来ません。信号待ちからややフライング気味にスタートし、後続のクルマに「おいっ、自転車がゆくんだよ!」と自己アピール。猛然と交差点を渡り切ったところで、つぎの側道に逃げ込む。←これでOKです。
最初から信号が青のときに交差点を渡り切るのは、かなーり難しい。何しろ本線のクルマは時速70キロ巡航で、はるか彼方に見えていたトラックも、交差点の途中でグワンッ! ゴワンッ! と、すぐそばを風圧を寄越しながら駆け抜けて行くんですから。それでも、たまに本線を走る競輪選手や勇敢なローディを見かけますね。根性あるなぁ……。
長い距離を時間をかけて、ゆっくり粘り強く走ることに根性を見いだしている私は、ときにゆったりと歩道を(ま、ポタリングっスから)、クルマの入ってこない側道を快走。どうです、外環道もけっこう緑が深いんです(写真は三郷市南部)。
下の写真は中川渡河の橋。草加市街までは、ほとんど唯一の自転車押し区間です。乗車のまま登れないこともないけど、かなり疲れます。 水元公園から草加市街までの距離は、おおむね15キロ。このブログを草加市の方が見ておられたら、江戸川CRまで15キロ(のんびり1時間弱)で着けると思ってください。
さて、秘密の隠れ家的スペースなのだから、あまり市街地の中心では困る。と、ここで私のお腹の都合で昼食タイムとなった。写真は草加市街の紅虎餃子房。 2種類の日替わりランチ(メイン2皿・卵野菜スープ・ミニ天心・ミニデザート)が900円、お得ランチが680円。味は日本の中華料理ではない本場的絶品(横浜中華街の中級クラス)と申し上げておきましょう。ただし、お米がマズい。保温のしすぎだね。 写真は旧日光街道の松並木と草加駅前。けっこう小洒落た町並みです。
南に進めば竹ノ塚、足立区と都心に近づいてしまうので、隠れ家探しは西上すること数キロは川口の東、北上すること数キロは越谷の南。ありませんよ、瀟洒なたたずまいの喫茶店なんて……。喫茶店文化そのものが古い(70年代の)ものだし、農地が宅地に変わってから時間の浅い埼玉にはスタバやドトール、ファミレスはあっても小さな喫茶店は望めないのかも。魅惑する珈琲の香りはいずこ、妖艶なる美人店主(笑い)は……?
写真は越谷レイクタウンの造成地を吉越橋(中川)からのぞむ。 写真では何だか分からないんですが、南越谷と吉川のあいだに武蔵野線の新駅とニュータウンが出来るそうで、広大な田んぼが潰されたというわけ。いいのかい国交省? こんなに農地を潰して。
さらに吉川を草加方面に南下して、草加公園(写真)へ。 この公園は競技場やテニスコートを完備した総合公園なのですが、自転車を公園内に入れない方針がダメダメ。水元公園や三郷公園に来る高齢者たちの大半が自転車乗りで健康を維持しているのにくらべて、ここの高齢者たちは隣接する福祉センターでカラオケや文化活動。いや、それ以前に住宅地に渾然と一体化する大規模公園らしい活力が感じられないのだ。すべてが人工的にすぎないだろうか。
しかたなく、早々に三郷市にもどる(写真は外環道を北に一本入ったところの緑のアーチ)。 そして……。ああっ、もう(挫折)……初日はダメであった。と、カッパ寿司で夕食(写真は注文した寿司をゴーッと運んでくる特急=新幹線レーン。ゴーッと走ってくるのが楽しいから、ついつい流れてるネタも注文しちゃう)。
ところで、肝心のペダルとギア、チェーンの具合はというと。ペダルはトゥクリップ用のもの(三ケ島MT-LUX COMPE) に交換して、異音問題も解決。ディーラー推奨のシマノCXチェーンは、さながら鞭のようにしなる(店長の言葉)? グリスアップしたベアリングも、まるでエンジンが付いてるかのような滑走力。握力ばかり使う割りには効かないと不評のカンチレバーのブレーキシューも可で、おおむね満足っス。
肝心のギアはといえば、高速域(といっても20キロ~30キロ程度だけど)の高速回転は音もなく快適に。ボタンを押して落ちなかった(シフトアップしなかった)り、レバーシフトで飛んだりすることはなくなった。試しに低速域でトルクをかけて変速すると、見事にガキガキガチャン、ジャリジャリッとギアが騒々しい。ようするに「チンタラ走ってるようじゃダメなんだぜ。こっちもちゃんとやるから、しっかり走りな!」と、まるで鬼コーチのようなディレイラー(変速器)? そろそろお前もまともなシフティングを覚えろよ、ということなのかもしれない。ペダリングもシフティングもトルクをかけず滑らかにが基本です、はい。
この日の徒労な走行距離65キロ。はたして、私の秘密の隠れ家的スポット(美人店主はともかく)は見つかるのだろうか? 今回の失敗の最大の原因は、ネットで下調べをしなかったことだと思われる。この点を大いに反省しつつ、二日目(来週UP)につづく。それなりに、ニヤニヤと期待して待つべし(笑い)。
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