気がつくと、ブログの更新が1年以上も滞っている。書くことが仕事であれば、一般の人よりもマメに書けるはずだと思いがちだが、じつはそうではない。書くことが仕事だからこそ、仕事についやす労力・エネルギーが限定され、なかなかブログが書けないのである。好きなことを仕事にしてしまうと、その好きなことがつらくなるの例えだ。
さて、そうは言っても書かなければならないことがある。ここは自転車ブログなので、自転車に関するトラブルは書かざるを得ない。長距離サイクリング、ツーリングに不可欠な輪行に関することなので、事件からちょっと時間が経ってしまったが、本業の書くことがひと段落した合間に、ご報告したいと思います。
その「事件」は、もう9月も下旬だというのに、暑さがおさまらない日の午後だった。いつものように、都心進出のために綾瀬駅から地下鉄千代田線(始発駅なので、載せやすい)に、自転車を載せようとしたときだった。
「競技用の自転車を持ち込みましたよね。後輪もはずさないと載せられませんよ」と、若い駅員。たしかに私の輪行バッグは前輪だけはずすスタイルだが、これでもう15年以上、輪行にクレームをつけられたことはない。
「後輪をはずせという成文化されたものがあるなら、見せて欲しい」と返答したうえで、JR各社をはじめ、持ち込み荷物の「自転車の解体」の規定には「長さ・高さ・幅の総和が250センチ、長さは200センチ以下」とあることを主張したが、相手は譲らない「うちは後輪をはずすことになっている」と。
ならば「成文化したものを見せろ。君では話が進まないから、責任者を呼んでくれ」となりました。かなり待たされたすえに、やってきた上司(茂串職員)はなんと「折り畳み自転車しか持ち込めない」などと言いだす。
東京メトロの輪行規定を見ると、「自転車は解体のうえ、袋に入れる」とだけある。なおも若い駅員が「うちは後輪も」と主張するので「自分勝手な解釈をするな。後輪もはずす規定なら、そう書き換えてから主張しろ」である。
「自転車を解体」を、前後輪にするのか前輪だけでいいのか、はたまた解体できるかぎり、ハンドルやペダル、ネジの一本に至るまで「解体」するのか、基準が書かれていないのでは困る。
「輪行はサイクリング協会と鉄道各社が、自転車活用による国民健康の増進、鉄道活用の推進のために、信頼関係のうえで結んだ歴史的な地平」であることを主張し、複数の鉄道会社が「総和が250センチ、長さは200センチ以下」と規定している以上、これが「慣習法」として適用される。これは法理論的に間違いのないところですので、輪行方法で鉄道会社と揉めたときは、論拠にしてください。
こっちは全国数百万サイクリストの利害をかけて、引き下がるわけにはいきませんから、「あんたで判断できないなら、駅長を呼んでくれ」と踏み込みます。
そこで茂串職員が折れて「到着駅に連絡して了解を得ますので、少々お待ちください」ということになった。さらに待たされた挙句「到着駅に了解を得ましたので、どうぞお載せください」
「ちょっと待った! 言ってることがサッパリわからない」である。「今後、いちいち始発駅と到着駅に了解をとらないと、輪行はできないのか?」
「いえ、そういうことではございません」平身低頭である。
どうやら、上長かベテラン職員に窘められた雰囲気がありありだ。
「許可は必要ございません」
そこで「駅の全職員に周知徹底してくれ。総和が250センチ、長さは200センチ以下」を説明して、ようやく乗車となった。この間の拘束時間30分ほど。民法709条「故意または過失によりて他人の権利・利益を侵害したる者は……損害義務に任す」(不法行為)である。
思い出して腹が立ってきたので、つぎに仕事が一段落したときに、メトロ本社の問い合わせフォームに抗議文(返答と対処がない場合は、民事訴訟を起こす)を送りましょう。
自転車の駐輪などでもけっこうトラブルはあるので、続編に乞うご期待っ。
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